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新型コロナの影響で温室効果ガス排出量が減少?その実態とは

coronavirus GHG

新型コロナによって自粛生活を送っている今、温室効果ガスの排出量が減少しているという話を耳にします。この温室効果ガスの減少には、新型コロナが影響しているのでしょうか。実際の影響は少なからずあるようです。今回は、温室効果ガスの実態と、温室効果ガスの減少と新型コロナの関係性について詳しく解説していきます。

温室効果ガスの排出が減少?

人間が排出する温室効果ガスのうち、最も大きな割合を占めているのは化石燃料が元となるCO₂です。化石燃料には石油や天然ガス、石炭などがあり、自動車や航空機などの輸送燃料や、電力発電の原料などとして使われています。そのため、温室効果ガスを減少させるには、化石燃料の使用を減らしてCO₂の発生を抑える必要があります

日本国内の温室効果ガスの排出量については、環境省が地球温暖化対策の推進に関する法律に基づき毎年公表しています。ただし、最新の確報値は2018年度の数値です。新型コロナの拡大を防ぐため、2020年4月16日に日本全国を対象とした緊急事態宣言が発令されて、外出制限、移動制限が呼びかけられました。その後のはっきりとした温室効果ガス排出量は現時点ではわかりません。

新型コロナに対応するため、日本国民一人ひとりが外出を自粛し、企業も在宅勤務やテレワークを推奨するなどしたことから、人々の移動は減り、企業が必要とする電力消費も抑えられました。これは同時に、経済の停滞も招いてしまいましたが、輸送燃料の使用や電力消費が抑えられたことで、温室効果ガスの要因となるエネルギーから排出されるCO₂は減少していると考えられます。

よって、少なからず新型コロナの影響によって、温室効果ガスの排出量は減少しているといえるでしょう。

温室効果ガスの種類」(国土交通省気象庁)

2018年温室効果ガス排出量(環境省)

温室効果ガス減少は一時的なものなの?

では、新型コロナの影響による温室効果ガスの減少は、今後どのように変化するのでしょう。

一つ心配なのは、新型コロナが落ち着いた後、経済が回復したことによりCO₂の排出量が増加する可能性があることです。過去にリーマンショックの影響で経済が停滞した時にも、世界的にCO₂の排出量が減少しました。しかし、経済回復の兆しが見られると、リバウンドするように増加に転じてしまいました。その時は、環境問題よりも経済回復が優先されてしまったのです。

緊急事態宣言の発令中には、一人ひとりが自粛生活をしてきたことから、経済活動は停滞したものの、人々の移動による輸送エネルギーの減少、企業や工場の稼働停止による電力消費の減少により、温室効果ガスの発生は抑えられています。

しかし、緊急事態宣言が解除され、徐々に経済活動を始めている今、リーマンショックの時と同じように経済の回復を優先させてしまえば、温室効果ガスの排出量は増加することになるでしょう。

同じ道をたどらないためには、この数ヵ月間で見えてきた新たな生活の仕方、働き方などから、今後の在り方を考えていく必要があるといえます。

まとめ

温室効果ガスの減少には、一時的に新型コロナの発生が影響しているといえるでしょう。しかし、これを継続していくためには経済回復を考えることと同時に、一人ひとりの生活の仕方についても考えることも大切です。新型コロナをきっかけとして、今一度、自分の生活の在り方を見直してみましょう。

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