脱炭素

GHG(温室効果ガス)排出量削減ってどうやるの?【業種別解説】

GHG emission reduce

RCPシナリオでは、GHG(温室効果ガス)排出による21世紀の地球環境や経済、社会への影響を予測しています。このままGHG排出量が減らない場合、地球の平均気温は上昇し続けると示唆されているため、GHG削減の努力は各業界に求められています。自社のGHGを算定し、目標・目的を設定する前に、RCPシナリオの概要業界別のGHG削減対策を確認しましょう。

GHG(温室効果ガス)排出量の削減のためのRCPシナリオ

RCPシナリオは、将来の気候変動予測で用いられるGHG濃度の仮定(シナリオ)のことで、英語の正式呼称はRepresentative Concentration Pathways、日本語では代表的濃度経路と訳されています。

IPCC(国連気候変動に関する政府間パネル)は、各国が推薦する科学者を集め、5~6年に一度のペースで気候変動に関する最新の知見を取り入れた報告書を発表しています。

RCPシナリオはIPCC第5次報告書の中で、気候変動予測をする際に用いられています。人間の活動によるGHG排出量は、人口、経済活動、生活様式、エネルギー、土地の利用パターン、技術革新や気候政策などによって決まるため、これらの要素を考慮して策定されたのがRCPシナリオです。RCPシナリオには4つのパターンが用意されていて、これはGHG排出削減の努力などによって異なる温暖化予測を立てているものです。

RCPシナリオは地球の平均気温上昇を2℃以内に抑えるためにはGHG削減が不可欠と示しています。したがって、今後はあらゆる産業でGHG削減の努力が求められる時代となります。次に、各産業におけるGHG削減策にどのようなものがあるのか見てみましょう。

エネルギー供給に関する削減策

エネルギー供給部門の緩和・削減策には以下のようなものが挙げられます。

  • 再生可能エネルギー(太陽光、バイオマス、風力、地熱)などの大規模な普及と化石燃料からの切り替え
  • 化石燃料チェーンにおける漏えいガス(メタン)の排出削減対策
  • 化石燃料の採掘や、電力、熱、燃料の輸送、流通、貯留の効率改善、熱電併給など、技術効率改善によるエネルギー強度削減策
  • エネルギー採掘、転換、輸送と配給に関する技術の製造時に必要となるエネルギーの効率改善策
  • エネルギー供給システムへの再生可能エネルギーの統合ニーズへの対処、など

輸送に関する削減策

輸送に関する緩和・削減策には以下のようなものが挙げられます。

  • 水素など低炭素燃料への転換、あらゆる輸送でのバイオ燃料活用など、GHG排出強度の削減策
  • 燃費効率の良いエンジンや車両、先進的な駆動装置の設計、車両の軽量化など技術改善によるエネルギー強度の削減策
  • モーダルシフト(乗用車から公共交通、自転車、徒歩、飛行機やトラックから鉄道への移行)、エコドライブの推奨、貨物輸送の改善、輸送インフラ計画などによる構造的・システム的な効率改善策
  • 旅行の回避、高い乗車率・積載率の実現、輸送需要の削減、都市計画の改善など活動量の変化を促す対策

建築に関する削減策

建築に関する緩和・削減策には以下のようなものが挙げられます。

  • 建物への再生可能エネルギー設備導入、低炭素エネルギーへの燃料転換など、GHG排出強度の削減策
  • 高効率機器(高効率ボイラー、エアコン、ヒートポンプ)、給湯、先進バイオマスストーブでの調理、照明、家電の選択など、技術改善によるエネルギー強度の削減策
  • 建物のライフサイクルにおける効率改善、部品、機器、家電の耐久性向上、建物の省エネ・低排出物質の選択など、生産時の資源効率改善策
  • 設計プロセスの統合、建物の低/ゼロエネルギー化、建物の管理効率化、都市計画、地域冷暖房、スマートメーター/グリッドの導入、性能検証の実施など、構造的・システム的な効率改善
  • 行動の変化(温度自動調節器の設定、電気機器利用)、ライフスタイルの変化(一人当たりの住居の大きさ、順応する快適さ)など、エネルギー需要削減につながる活動量の変化策

農林業・土地利用に関する削減策

農林業・土地利用に関する削減策には以下のようなものが挙げられます。

  • 家畜や肥料・堆肥の管理によるメタンや一酸化二窒素(亜酸化窒素)の大気への排出削減
  • 土壌や植生など既に存在する炭素貯蔵庫を保全することによる一酸化二窒素の大気への排出削減策
  • 植林や森林再生、土壌中の炭素隔離などによる大気中からの二酸化炭素の除去策
  • 化石燃料やエネルギー集約型製品の、バイオマス燃焼・熱電併給、バイオ燃料、バイオマスストーブ、断熱などへの代替策
  • 食品のロスや廃棄の削減、食生活の変化、長寿命の木材製品の利用など、需要者側の改善策

居住・インフラに関する削減策

住居・インフラに関する削減策には以下のようなものが挙げられます。

  • 都市への再生可能エネルギー導入、都市規模の燃料転換プログラムなど、GHG排出強度削減策
  • コジェネや熱カスケードの利用、廃棄物のエネルギー化など、技術改善によるエネルギー強度削減策
  • インフラ供給管理、投入する原料の削減など、生産・資源効率の改善策
  • コンパクトな都市の形成、土地利用の混合化など、構造的・システム的な効率改善策
  • アクセス性の向上、移動時間の短縮化、輸送機関の充実化など、活動量を変化させる施策

まとめ

RCPシナリオは将来のGHG排出量を世界を代表する専門家たちが予想したものです。そして企業が取り組むことが出来る削減案は数多くあります。あなたの企業でも出来る取り組みは見つかりましたか?一緒に温室効果ガス削減に取り組んでいきましょう。

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