脱炭素

GHG(温室効果ガス)排出量とは?GHGにはどんな種類があるの?

GHG emission

地球温暖化の一因とされるGHG(温室効果ガス)。人間の経済活動が活発化したことで大気中に放出されるGHG排出量は増大し、21世紀の気候変動に影響を与えています。そのため近年は企業活動におけるGHG排出量の算定を求められるケースが増えています。実際に算定する前に知っておきたいGHGとは何なのかや、種類、世界と日本のGHG排出量の現状を解説します。

GHG(温室効果ガス)排出量とは

GHGとは、Greenhouse Gasの略称で、一般的に温室効果ガスといわれるものです。GHGが地表や大気中に放出・吸収されることで温室効果を引き起こし、気温を上昇させるため、地球温暖化のおもな要因とされています。GHG排出量とは、人間の活動によって排出されるGHGの量を算出したものです。

GHG(温室効果ガス)の種類とは

人間の活動に起因して排出量が増加したと考えられるGHGのうち、最も温暖化への影響が大きいとみなされているのは二酸化炭素(CO2)です。二酸化炭素(CO2)は石油・石炭など化石燃料の燃焼や、セメント製造をはじめとする工業プロセスで大気中へ大量に放出されます。

GHGの種類は二酸化炭素(CO2)のほかに、メタン(CH4)一酸化二窒素/亜酸化窒素(N2O)フロン類などがあります。

先進国のGHG削減基準を定めた京都議定書や、オゾン層を破壊する物質に関するモントリオール議定書では、おもに以下のGHGが対象となっています。

GHG(温室効果ガス)の種類

IPCC Report communicator ガイドブックWG3基礎知識編 2015年10月16日版 7/77ページの図表を元に作成。

GHG(温室効果ガス)の日本でのおもな排出源

IPCC Report communicator ガイドブックWG3基礎知識編 2015年10月16日版 8/77ページの図表を元に作成 

2.GHG(温室効果ガス)排出量の現状

GHG排出量の急速な増加

1970年以降2000年までに人間の活動が発生源となる世界のGHG排出量は、年平均1.3%のペースで増え続けました。さらに2000年~2010年には年平均2.2%ペースへと上昇し、この10年間でGHG排出量は100億トン(10Gt-CO2換算)増加しています。

排出部門別の内訳

2010年時点におけるGHG排出量は約490億トン(49Gt-CO2換算)と算出され、これを直接排出量で換算した場合は、エネルギー供給部門35%(発電・熱生産25%+その他エネルギー9.6%)、農林業・土地利用24%産業21%輸送14%建築6.4%という内訳になっています。

部門別の排出量の表し方には、直接排出量間接排出量という二つの区分があります。直接排出量は、実際に化石燃料を燃焼したり、発電したりする際に排出されるCO2量を計算したもので、発電・熱生産に起因する排出をエネルギー供給部門に計上しています。間接排出量は、発電・熱生産に起因する排出を消費側(需要者)の部門に配分しています。

日本のGHG排出量

2018年(平成30年)の日本のGHG排出量は、12億4,000万トン(CO2換算)で、前年度に比べ-3.9%でした。この総排出量は5年連続で減少しており、日本が算定をはじめた1990年度以来最も低い数値となりました。総排出量が減少している一方で、ハイドロフルオロカーボン類(HFCs)の排出量は増加しています。この理由はオゾン層破壊物質であるハイドロクロロフルオロカーボン類(HCFCs)から HFCs への代替に伴い像がしたことがおもな要因です。

排出量増加の要因は、経済成長と人口増加

世界全体でCO2などのGHG排出量が増加した主な要因は、経済成長人口増加だといわれています。一人あたりのGDP(国内総生産)は2000年~2010年のあいだに大きく成長し、それに伴いCO2排出量も増加しています。また世界人口は1970年から増え続けており、エネルギー消費効率が改善されても、その効果が人口増加に伴うエネルギー需要によって相殺されているのが現状です。2019年に国連は、世界人口は現在の77億人から20億人増加し、2050年には97億人に達すると予測しています。

このままでは平均気温上昇2℃を越える

このまま何も手を打たなかった場合、世界の平均気温は上昇し続けると見込まれています。気候変動が引き起こす損害や経済的なダメージ、社会生活に及ぼす影響を懸念し、地球環境を守るため、産業革命以前からの気温上昇を2℃以内に抑えることを世界共通目標にした「パリ協定」が2015年に採択されました。パリ協定は京都議定書に代わる、2020年以降の温室効果ガス(GHG)排出削減を目指す新たな国際的な枠組みです。京都議定書が先進国だけに削減目標が課せられるものだったのに対し、パリ協定は歴史上初めてすべての国が参加しています。

まとめ

GHG排出量を把握し、削減努力をすることは、未来の地球環境を整える作業です。GHGの種類や排出量の現状を知ることで、自社の排出量を算定する作業の意義や、GHG排出量を報告して国が集計する目的への理解も深まると思います。

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