非財務情報公開

【非財務情報開示の必要性③】投資機関に選ばれるための非財務情報開示

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世界中でESG投資が普及しており、その方針を定めるPRIという基準があります。しかし日本企業は石油依存体質が強いため、企業に対する配慮からPRIに署名する機関投資家は少なく、海外企業と比べ出遅れています。このままでは投資が離れてしまうダインベストメントの危険性があり、日本企業は変化が必要となります。まずは非財務情報の開示から始めるべきです。

増え続けるPRI署名機関

責任投資原則(PRI)とは2006年に国連が金融機関に提唱した投資イニシアチブのことです。金融機関にESGへの取り組みを考慮して投資するよう求める原則で、投資先にESGへの取り組みを開示するよう進めることも金融機関に求められています。

そして、PRI署名機関とはPRIに従う機関投資家のことです。日本では認知度が依然低いですが海外では増えており、2019年の段階で世界に2300の機関が存在します。今後もサステナビリティの認知度が高まると予想される中、パリ協定で定められた各国目標の達成向けてPRI署名機関の数は増えると見られます。

日本企業は投資外に!?ダインベストメントの流れ

インベストメントは投資という意味ですが、ダインベストメントとは投資撤退という意味です。かつては投資撤退と聞くと、投資先の業績悪化や不祥事、将来性の欠如などが理由でしたが、今後はESG投資が普及する中でサステナビリティへの取り組み不十分であることを理由に撤退が進むかもしれません。特に日本は先進国の中でも重工業に依存する割合が高く、多くのエネルギーを必要としています。このまま石炭火力発電に依存し続けると日本の産業界全体でESG投資の魅力が失われ、ダインベストが進むでしょう。

例えば日本製鉄や新日鐵住金は多くの石炭を消費しており、トヨタ自動車や日産など、日本を代表する自動車メーカーもハイブリッド車の開発に注力しているとはいえ、このまま化石燃料に依存する車を作り続ける場合、日本に対するESG投資の魅力は失われます。前述の通り、世界中ではPRI署名機関が増え続けています。PRIの原則に従った場合、日本企業が投資のための基準を満たさなければ海外の投資機関は日本企業に投資できません。

まずは非財務情報を開示するところから

日本の産業界に急な転換を求めるのは確かに難しく、いきなりCO2を排出しない製品を作るよう求めても不可能です。まずはサステナビリティに関する非財務情報を開示するところからスタートしてみましょう。開示をするよう義務付けなければ、今後も企業がサステナビリティへの取り組みを怠る可能性があります。

国内では有名な上場企業でも開示していない会社が多く、利益さえ出してれば良いというような姿勢が見られますが、確かに非財務情報は決算書と違って簡単に数値化できるわけではなく、CO2の削減量やサステナビリティへの貢献度を計測するのも難しいです。とはいえ、世界中でサステナビリティコンサルティング会社が設立され、非財務情報のフォーマットも更新され続けています。専門の人材が増えていく中で情報開示のハードルは低くなっており、日本企業の取り組みが求められています。

まとめ

日本はEUや他国に比べて環境への取り組みが遅れ、ESG投資をすべき金融機関もPRI署名が遅れています。そのうえ国内の上場企業も非財務情報の開示が進んでおらず、日本の機関投資家がPRI署名を進めない理由も投資先である国内企業の情報開示が進んでいないからと考えられます。

しかしこのままではPRI署名機関を中心に海外からの投資が減少し、国内経済全体が衰退してしまうかもしれません。日本経済の将来性のためにも非財務情報の開示を推進しなければなりません

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