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実践!Scope3カテゴリ別算定~カテゴリ6・カテゴリ7~

GHGプロトコルのScope3基準では、Scope3を15のカテゴリに分類しています。

「人の移動」に関連する排出は、カテゴリ6カテゴリ7が対象です。

今回の記事では、カテゴリ6とカテゴリ7の算定範囲や算定方法、そしてよくある質問や不明点も扱い、丁寧に解説していきます。カテゴリ6とカテゴリ7とでは、基本的な考え方や算定方法における共通点が多いのが特徴です。

おさらい~Scope3カテゴリ分けについて~

Scope3はScope2以外の間接排出つまり、事業者の原料調達・製造・物流・販売・廃棄などの組織活動に関連する他社の排出を指します。

Scope3の詳細についてこちらの記事や、Scope3のカテゴリ分けについてこちらの記事もご覧ください。

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Scope3のカテゴリ分け

カテゴリ6とカテゴリ7の定義

カテゴリ6とカテゴリ7について、発行ガイドラインでは以下のように定義されています。

【カテゴリ6】出張:従業員の出張に伴う排出

【カテゴリ7】雇用者の通勤:従業員の事業者に通勤する際の移動に伴う仕事

これらの共通点は、「人の移動」であるということです。

「人の移動」=カテゴリ6・カテゴリ7

次の章では、もう少し詳しく範囲を見ていきます。

算定範囲

カテゴリ6の算定範囲

基本的には業務における従業員の移動の際に使用する交通機関における燃料・電力による排出量です。その典型例が、出張だと考えられます。この時の従業員とは、常時使用する従業員のことを指します。

※「常時使用する」に関してですが、詳細は後程説明する「よくある質問・疑問点」を参照してください。

カテゴリ7の算定範囲

【カテゴリ7の算定範囲】通勤時に使用する交通機関における燃料・電力消費から排出される排出量です。こちらも対象は、常時使用する従業員です。

Scope1とScope2との区別に気をつけよう。

Scope3は間接排出を測定するものです。つまり、自社保有の車両等による移動や通勤は、Scope3ではなく、Scope1とScope2の算定範囲に含まれます。

算定方法

まず、基本式を確認しましょう。

「活動量」×「排出原単位」

それぞれを見ていきましょう。ガイドラインでは、「人の移動」に関するサプライチェーン排出量を求める際の基本の算定方式として、以下3つの式が紹介されています。

<旅客航空機、旅客鉄道、旅客船舶、自動車>

CO₂排出量=(輸送モード別)Σ(旅客人キロ×排出原単位)

※旅客人キロ=(経路別)Σ(旅客数×旅客移動距離)

<自動車>

【燃料法】

CO₂排出量=Σ{燃料使用料×排出原単位(=単位発熱量×排出係数×44/12)}

【燃費法】

CO2排出量=Σ{移動距離/燃費×排出原単位(=単位発熱量×排出係数×44/12)}

出典:サプライチェーン排出量算定の考え方

しかし、これらの式はあくまでも、各交通機関による移動距離・移動のために消費された燃料使用量が把握できる場合の算定方法です。これらを把握できない場合は、その他の方法でも計算することも可能です。詳しくはこちらをご覧ください。

また、排出原単位に関しては、こちらをご覧ください。

よくある質問・不明点

「常時使用する従業員」とは?

サプライチェーンを通じた温室効果ガス排出量算定に関する基本ガイドライン(ver.2.3)(環境省/経済産業省)では以下のように書かれています。

その会社で今働いているか(役員は除く)ということです。出向者や別事業者への下請労働は、行った先の会社で換算されるため、「常時使用する従業員」となりません。

テレワークによる排出はどうすればよいのか?

テレワークに伴う排出はカテゴリ7に含めることができます。求める際は、エネルギー使用量が活動量となります。

まとめ

今回は、サプライチェーン排出量算定における、Scope3のカテゴリ区分、中でも「人の移動」に着目してカテゴリ6カテゴリ7について説明しました。

今回の記事では基本の算定方式に関して、説明しましたが、他にも様々な方法で求めることができます。簡単に求めるためにも、どのように算定するかきちんと考えましょう!

カテゴリ分けに関しては「人の移動」はカテゴリ6とカテゴリ7に分けられるということを覚えておくと簡単です。Scope1,2の算定範囲ときちんと区別することも大切です。

次回は「モノの移動」に着目して、カテゴリ4カテゴリ9の算定方法等について詳しく解説してきます!

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