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実践!一緒に進められるサプライチェーン排出量ガイド~Scope2編~

サプライチェーン排出量の算定は、Scope1~3まで各Scopeのカテゴリを算定し合計したものをいいます。今回は、Scope2についての取り組み方を大きく4つのステップに分けてご紹介します。また、参考になる資料を掲載しますので、各ステップでつまづいた際には確認しながら進めていきましょう。また、Scope1の算定ガイドも合わせてご覧ください。

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Scope2とは?

Scope2とは、他者から供給された電気・熱・蒸気の使用に伴う間接排出です。
国内だけでなく海外において自社が他社から購入した電気などの使用によって発生する排出が算定対象となります。
一般的に、自社オフィスで使用した電力に伴う排出などが主な算定対象と考えられます。

Scope2の算定方法

(1)算定目的の確認


前回のScope1算定に関する記事でサプライチェーン排出量算定をする際に、あらかじめ算定する目的を設定することをおススメしました。
その際に設定した、算定目的に沿ってScope2も算定します。

図:算定目的の例

出典:サプライチェーン 排出量算定の考え方

(2)算定期間の確認

算定期間は、算定目的同様Scope1を算定する際に設定した期間と同じ期間を対象に算定します。
通常は、決算に合わせて算定することが多いためその期間に合わせて期間を設定します。

(3)算定する対象範囲の設定

自社が購入した電力・熱・蒸気の使用に伴う排出が対象のため、国内外問わず算定する必要があります。
また、照明器具やタワークレーン等の、電力を使用する建設現場での施設、建設機械の使用による排出や、輸送事業者以外の事業者における電力を使用する自社所有の自家用車使用による排出なども算定する対象として含まれます。

日本では現在、温対法(地球温暖化対策の推進に関する法律)に基づいて政府が算定・報告・公表制度を導入していますが、サプライチェーン排出量算定を行う際には温対法で定められている規定範囲以外に、一部範囲を追加して排出量を報告することがあります。


そして場所的な対象範囲の注意点として、自社が使用しているビルなどにおけるオーナー・テナントの排出量算定範囲については、算定・報告・公表制度の考え方に従い、設定しなければなりません。

図:Scope2におけるオーナー・テナントの算定範囲

出典:サプライチェーンを通じた温室効果ガス排出量算定に関する 基本ガイドライン (ver.2.3)

(4)算定

基本的に用いる計算式は以下です。

基本式
【各利用施設の電気使用量 kwh】×【施設毎に契約している各電力会社の事業者別排出係数】

今回は、弊社(株式会社パネイル)が実際に算定した情報をもとに基本式を用いて算定します。
(例)事業所①の場合

STEP1:算定期間内に該当する電気使用量のデータを用意しましょう。
事業所①を利用していることによって使われていた電気の使用量は「3,112.10 kwh」でした。

STEP2:該当する事業所で利用している各電力会社の事業者別排出係数を調べましょう。
算定する際に用いる電気の排出係数は、自社が購入している各電力会社の発電所における自家消費分と、発電所で発電した電気を事業所に送電するまでの送配電線などの抵抗によって電気エネルギーが熱などに変化し損失した配給電ロスを含んだ係数となっています。

事業所①が利用している「電力事業会社ⅰのメニューC」に対する排出係数は、「0.00045 t-CO2/kWh」でした。

※事業者によってはメニュープランが複数存在するため、ご利用になっているプランを確認のうえ係数を選択してください。

※ご利用になっている各電気事業会社の事業者別排出係数はこちらのサイトでご確認いただけます。
電気事業者別排出係数(特定排出者の温室効果ガス排出量算定用)-平成30年度実績- R2.1.7環境省・経済産業省公表

STEP3:基本式に沿って、電気使用量に事業者別排出係数をかけましょう。

基本式は、【各利用施設の電気使用量 kwh】×【施設毎に契約している各電力会社の事業者別排出係数】なので、
事業所①の場合【3,112.10 kwh】× 【0.00045 t-CO2/kWh】となります。


最後に算定対象範囲となる全ての活動に対する排出量を算定しましょう。
弊社の場合、事業所が全部で4つ存在するため、各事業所の排出量を算定します。リモートワークにおける活動に対する排出量も算定しました。

弊社の場合

Scope2=【35.67(ton)】

  • 事業所① 【3,112.10】×【0.00045】=【1.4】
  • 事業所② 【2,034.00】×【0.000455】=【0.93】
  • 事業所③ 【61,677.00】×【0.000455】=【28.06】
  • 事業所④ 【10,344.00】×【0,000334】=【3.45】
  • リモートワーク【5,269】×【0.000347】=【1.83】

※弊社がリモートワーク時の排出量算定に用いた考え方・式は以下です。
まず、従業員1人当たりが1日に使用する電力量を計算します。
利用電力量÷ 勤務人数 ÷ 勤務日数=人日当たりの電力量

最後に人日当たりの電力量を用いてリモートワーク時の排出量を算定します。
人日当たりの電力量 × リモート日数=リモート時における電力量(推計)

図表:弊社におけるScope2算定結果イメージ図

※以上の図表は一部抜粋、加工されたものです。

まとめ

Scope2における算定方法について解説しました。

Scope1の算定方法と同じように、基本的に使用したエネルギーの「活動量」に各種該当する「排出原単位」を乗算することによって算定することができます。
特に注意する点としては、各電力供給会社のメニュープラン別に「排出原単位」が異なるので、掲載した「電気事業者別排出係数(特定排出者の温室効果ガス排出量算定用)-平成30年度実績- R2.1.7環境省・経済産業省公表」などを確認しながら算定することをおススメします。

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