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【業界別】新型コロナ影響下の海外企業、サステナビリティ対応の変化

新型コロナウイルスの感染が世界で拡大する中、企業のサステナビリティに対する取り組みにはどんな影響があるのでしょうか?

脱プラスチックをはじめとする環境への配慮よりも、まずは人々の健康や生活を守ること、そして経済面・社会面での打撃から早急に立て直しを行うことが優先的に求められているように思われます。

本記事では、①食品、生活用品業界 ②ファッション業界 ③IT業界における海外企業の状況と新しい取り組みについてご紹介します。

食品、生活用品業界への影響と取り組み

新型コロナウイルス感染拡大前から、世界中のたくさんの企業がプラスチック製パッケージの使用削減やエコバッグの利用推奨、紙袋の有料化を進めてきましたが、コロナウイルスの影響下では食料品などの需要拡大により、これらに力を入れる余裕がない企業やサプライヤーがいることが現状です。さらに、持ち運びのできる消毒液やスプレー型の消毒用アルコール、液体石鹸などの需要も増加し、急速な生産が求められる中でプラスチックの消費が大幅に増加しました。

このような動きは脱プラスチックという点においては逆行する動きではありますが、企業は人々の健康を第一に考えるため、その利用を余儀なくされているようです。

実際、世界各地でロックダウンが行われた中、スーパーマーケットやドラッグストアなどは国民の生活の主力となりました。

イギリスでは各地でのパニック買いが発生し、食料品への需要が急激に増加したため、さまざまな業者がどのような素材であっても、今は入手可能な素材を使わざるを得ないため、環境への配慮までできていないと話しています。

一方、新型コロナウイルスの感染拡大の影響を強く受けたニューヨークでは、オンラインで事前に予約をしておけば配達してくれる新しいデリバリーサービスが注目されています。スーパーマーケットで購入できる新鮮な肉や野菜はもちろんですが、パン屋さんの焼き立てパンや、ケーキ屋さんのスイーツなどの配達を行っている店もいくつかあるようです。

ファッション業界への影響と取り組み

ファッション業界では世界中の企業が、消費者のオンライン注文の対応に追われ、発送時やパッケージに使われるビニール袋の大量消費が懸念されています。このため、企業はパッケージ等で利用される資源の大量消費問題への対策を考えなくてはなりません。

一方で、一部の衣料品製造工場などを発展途上国に持つH&Mは、相次ぐ注文のキャンセルにより、世界中の労働者に大きな打撃を与えています。数万人の従業員を一時解雇することも示唆され、配当金も無配が提案されたH&Mですが2020年3~5月期の売上高は前年同期比50%減と発表されました。

世界的に見てもファッション業界では、環境への影響だけでなく人的、経済的な影響も問題になっているようです。

H&Mをはじめとするファッション業界の企業は、コロナウイルス収束後に大きなセールを開催するなど検討しており、これからの経済成長と立て直しを期待しているそうです。やはり、持続可能な社会に向けて長期的な取り組みを始める前に、今現在問題となっている経済面の立て直しが必要な企業が多いため、企業の早急な対策が求められるものの、現状は厳しいと考えられます。

IT業界への影響と取り組み

コロナウイルスの影響下で、FacebookやGoogleが在宅勤務の拡大化を決め、今年度末までの在宅勤務を許可するとしました。また、Twitterは従業員が望む場合、永久的な在宅勤務を許可することを発表しました。

Twitterは本社をサンフランシスコに持ち、そこでは約4,000人の従業員が働いています。今年9月まではほとんどの従業員に対し在宅勤務のみとしていますが、一方で、新型コロナウイルスの影響による在宅勤務の現状においても、Twitterは従業員がパフォーマンスを十分に発揮しているとし、この先無期限の「永久的な在宅勤務」を従業員が選択することも抵抗がないとしています。

また、企業のリモート勤務化が進むことで通勤時など車の数が大幅に減るため、大気汚染が減少することも在宅勤務のメリットの一つでもあります。

まとめ

コロナウイルスの影響を受け、現在さまざまな企業が環境を中心としたサステナビリティへの対策を後回しにせざるを得ない状況です。特に、食品・生活用品業界では、人々の健康と生活を守るために商品を製造する過程で、ビニール袋やプラスチックの利用が大幅に増加しました。また、ファッション業界では、世界各国にある衣料品製造工場での労働者に大きな打撃を与え、環境面だけではなく、社会的な面での問題を抱えています。

一方で、IT業界では、積極的な在宅勤務推奨によって従業員を守り、またこの変化を契機に新たな働き方の選択肢を提示するなど柔軟な動きがありました。甚大な被害をもたらしている新型コロナウイルスですが、企業のサステナビリティへの取り組みにおいて今後も引き続き変化が見られるかもしれません。「withコロナ」と言われる現代ですが、みんなで力を合わせてサステナビリティへの取り組みに力を入れていきましょう!