企業の取組み

最新の評価から、サステナビリティ活動の取り組み事例を紹介

ビジネスに身を置いている方なら誰もが最近「サステナビリティ」という言葉を耳にすることがあると思います。しかし、評価されている企業とその活動内容を把握することは難しいのではないでしょうか。ここでは、「サステナビリティ」の基本的な捉え方と、実際に評価されている企業事例をご紹介します。

サステナビリティとは?

サステナビリティとは、英語の“sustainability”のカタカナ表記であり、意味としては「持続可能性」と訳されます。近年の環境破壊等に関する関心度合いの高まりから、現世代だけなく将来世代を考えた「持続可能性」意味しており、ここで「持続可能」にさせるべきものとは「私たちの身近な地域・人間社会や地球環境」です。

企業を主語にした場合には「経済的側面だけでなく環境や社会などに対して与える影響を考慮し、長期的に事業を展開、発展し続けること」と捉えなおすことができるかと思います。

また、サステナビリティと似た意味の言葉に「CSR」があります。

CSRとは?

”CSR:Corporate Social Responsibility”の定義は、国や組織によって少し異なっていますが、最もスタンダードなものは2011年に欧州委員会が定義した「企業の社会への影響に対する責任」になっているかと思います。

また経済産業省においては以下のような説明をしています。

「企業が社会や環境と共存し、持続可能な成長を図るため、その活動の影響について責任をとる企業行動であり、企業を取り巻く様々なステークホルダーからの信頼を得るための企業のあり方を指します。」

出典:企業会計、開示、CSR(企業の社会的責任)政策(METI)

経済産業省が示すCSRの定義の中にも「持続可能な」という言葉があります。この定義に沿うのであれば、CSRとはサステナビリティを実現する(目的)ための企業の在り方(手段)と理解することができるかと思います。

ESG投資におけるサステナビリティ

また、サステナビリティは企業投資の場面でも「ESG⁼環境(Environment)・社会(Social)・ガバナンス(Governance)」といった観点で捉えなおされています。

そうした投資(ESG投資と呼ばれる)においては、たとえば企業の環境に対する配慮を数値化・スコアリング化したものを一つの指標として評価し投資するような動きもあります。

環境や社会への配慮を事業戦略に取り込む企業は、長期的な視点においても企業価値が向上するであろうと考える投資家は欧州を中心に増えていて、日本でも増加傾向にあります。

企業のサステナビリティ活動に対する評価「Sustainability Yearbook2020」

S&P Global(米国の金融サービス企業。S&P ダウ・ジョーンズ・インデックスなどの親会社)は世界の最もパフォーマンスの高い持続可能な企業について知ることができる「Sustainability Yearbook2020」を開示しました。

Sustainability Yearbookは、スイスのRobecoSAM社が毎年行ってきたCSA(Corporate Sustainability Assessment)というESG評価の内容をまとめたもので、CSAのデータはS&Pダウ・ジョーンズ・インデックスのDJSI(Dow Jones Sustainability Indices)というサステナビリティ指標にも使用されてきました。2019年に同事業がS&P Globalに売却されたことから発行元が変更になっています。

世界の大手企業4700社以上を対象に環境・経済・社会面の観点で評価、61業種それぞれのトップ15%の企業が「持続可能性に優れた企業」として「Sustainability Yearbook2020」に掲載されています。

そしてさらに上位10%の優れた企業をゴールド、シルバー、ブロンズクラスに評価付けています。

2020年度版では57の日本企業が掲載、ゴールド、シルバー、ブロンズにはそれぞれ以下の企業が評価されていました。

ゴールドクラス(2社)

伊藤忠商事株式会社

住友林業株式会社

シルバークラス(7社)

ANAホールディングス株式会社

本田技研工業株式会社

コニカミノルタ株式会社

株式会社丸井グループ

株式会社エヌ・ティ・ティ・データ

積水ハウス株式会社

双日株式会社

ブロンズクラス(9社)

日本たばこ産業株式会社

株式会社三菱ケミカルホールディングス

日本電信電話株式会社(NTTグループ)

他6社

出典:「Sustainability Yearbook2020

住友林業の取り組み事例 

前述の格付けにおいて2年連続でゴールド受賞を獲得、13年連続で「持続可能性に優れた企業」として選ばれている住友林業グループのサステナビリティ活動をご紹介します。

持続可能な木材調達の強化に向けての取り組み:

理念・方針
住友林業は、持続可能で豊かな社会の実現に貢献することを経営理念に掲げ、 2005年に「木材調達基準」、2007年には 「木材調達理念・方針」を策定し、木材調達の合法性確認を徹底する活動をしていました。

近年の課題
近年は、国連食糧農業機関(FAO)が森林減少の主な原因は農地へ転換目的とした森林伐採であると報告するなど、木材調達する際には違法伐採対策や、周辺地域の住民や生態系への配慮に加え、農地転換された森林からの木材・農産物の持続可能性が懸念されるようになりました。

課題解決への方針と取り組み内容
近年の課題に対して、住友林業グループは2019年5月に「中期経営計画2021」を発表。そこでは2021年までに合法性確認 100%の維持にとどまらず「持続可能な木材」の扱いを100%にしていく目標を掲げ、期限を設けて取り組んでいます。また、調達先の人権や労働環境に関しても評価基準を厳密にして、一定水準に満たない調達先には改善を求めるなどサプライチェーン全体の底上げを目指しているとのことです。

持続可能な木材とは

住友林業は、以下いずれか該当するものを 「持続可能な木材及び木材製品」と定義しています。

❶ 森林認証材及び認証過程材
FSC、PEFC、SGEC(CoC 連鎖に関わらず出材時の認証を重視した材で認証材への移行を促す)

❷ 植林木材

❸ 天然林材で、その森林の施業・流通が「持続可能である」と認められるもの
(転換林由来の材=森林をオイルパーム農園等に転換する際に伐採する天然林材はこれに含まれない)

❹リサイクル材

出典:住友林業グループ サステナビリティレポート 2019 P12,P13

まとめ

サステナビリティとは、現世代だけなく将来世代を考えた「持続可能性」であり、企業においては経済面だけでなく環境や社会などに対して与える影響を考慮し、長期的に事業を展開、発展し続けること解釈できます。

今回は、そうした企業のサステナビリティ活動を評価する指針として「Sustainability Yearbook2020」を取り上げ、なかでも高い評価を得ている住友林業の活動事例をご紹介しました。

前述でご紹介した企業の活動内容などからヒントを得て、サステナビリティ活動を始めるきっかけになったら幸いです。

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