企業の取組み

ESG経営とは?企業が取り組むメリットデメリットを事例と共に紹介!

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近年「ESG経営」を標榜する企業が増えてきており、その背景には、企業の財務情報に加えてESG情報を重視して評価するESG投資への注目度の上昇があります。「ESG経営」という言葉を耳にしたけれど、どんな意味なのか?企業が取り組むメリットやデメリットは?という方に向けて、ESG先進企業の事例を紹介しながら「ESG経営」をわかりやすく解説します。

ESG経営とは

ESG経営とは、環境(Environment)、社会(Social)、ガバナンス(Governance)に重点を置いた経営のことを指します。

近年、投資家が企業の価値や将来性を判断する際に、財務情報だけでなく企業のESG情報も評価するケースが増加しています。また消費者も企業姿勢や商品ストーリーに込められたESG要素を重視して選択する傾向が高まっています。

このような流れを受けて「ESG経営」を掲げる企業が増え、財務情報にESG情報を加えた統合報告書の発行企業数が増加しています。また企業ホームページにESGの取り組みを掲載し、ESG情報を発信することが企業ブランディングの一環として定着しはじめています。

企業が取り組むメリット

ESG経営を取り組むことは、社会潮流や事業環境の変化に伴なった経営が出来るというメリットがあります。近年は社会の変化するスピードが速まっているため、この間までの常識がいつのまにか非常識になっていることもあります。特にESGに関連する出来事は毎年目まぐるしく変化しているため、積極的にESG情報を理解して自社の取り組みに反映することは、変化の激しい社会を生き抜く上で必須事項といえるでしょう。

ESGへの取り組みは長期的なリスク低減につながるメリットもあります。自社の事業環境にどのようなESGリスクがあるのかを事前に洗い出し、平時のうちに対応することで、外部状況の変化に備えることができます。

さらに、ESGを重視した事業活動は、他社との差別化や社会課題を解決する新たな事業のアイデア創出といったビジネスチャンスにも繋がるかもしれません。

企業が取り組むデメリット

ESG経営取り組むことで生じるデメリットを挙げるとすれば、短期的には成果がわかりにくいという点です。

ESGは超長期目線に立ち企業の未来を見据えて評価される軸のため、最初の数年は持ち出しばかりで見返りがないように感じるかもしれません。しかし社会的にESG認知度が高まれば、早い時期からESGの取り組みを積み重ね、新たな価値を創造してきた企業が評価されることになるでしょう。

また人員や時間などのリソースをESGに注ぐ必要があり、コスト面でもデメリットと捉えられますが、これは経営戦略にESGを統合することで解決できます。経営計画策定時など、自社の方向性を見直す際にESGの視点を織り込むことで、限られたリソースを活かし、業務の中でESGを実現する体制に作り変えることが可能です。

企業取り組み事例

実際に企業の現場で行われているESG経営とはどのようなものか、具体例と企業事例を見てみましょう。

具体例

  • E(環境):製品・サービスの環境配慮性向上、事業廃棄物の抑制、事業で排出するCO2の削減など
  • S(社会):製品・サービスの安全性向上、サプライチェーンの透明性、社会課題解決型の事業モデル創出など
  • G(ガバナンス):経営方針の社内浸透と理解、取締役会の開催、議事の記録、情報セキュリティの強化、関連法規の定期チェック、人権を尊重した労働慣行、緊急時対応体制の整備、コンプライアンス対応など

企業事例①株式会社大林組

もともとあった中長期環境ビジョンを発展させる形で、2019年6月にESGの取り組みとSDGs達成への貢献を含んだ長期ビジョンに改訂。これにより同社グループが目指す2050年のあるべき姿を定義しました。この実現計画として、2017~2021年度の中期経営計画で経営基盤戦略の3本柱の一つにESGが掲げられています。さらにESGとSDGsをグループ全体で効果的に取り組むため、2019年1月に組織改編も実施しています。

出典:「中期経営計画」(株式会社大林組)

企業事例②花王株式会社

海洋プラスチック問題への取り組みとして「プラスチックは自然界に排出されるべきではない」という考えを明示。4R(Reduce、Replace、Reuse、Recycle)の視点で自社製品の容器に使われるプラスチック量を減らす試みを実施しています。従来のつめかえ容器に替わる「ラクラクecoパック」、つめかえいらずの「スマートホルダー」などを開発し、プラスチックの使用量は減少。100%リサイクルが可能なフィルム容器を開発中です。

出典:「私たちのプラスチック包装容器宣言」(花王株式会社)

企業事例③株式会社ファーストリテイリング

自社商品を回収・寄贈する「全商品リサイクル活動」を継続的に実施。不要になった服を回収し、被災地や発展途上国などに届けられた服が役立てられていることを自社のウェブサイトにてわかりやすく発信しています。

出典:「服を通じた社会貢献」(株式会社ファーストリテイリング)

企業事例④第一三共株式会社

CO2削減目標達成に向けて、同グループの小名浜工場内に、医薬品業界国内最大級の自家消費型太陽光発電設備を導入。2020年度内の完成・稼働開始を予定しています。この設備は、同工場CO2年間総排出量の約20%相当(約1,800トン/年)の削減を見込んでいます。

まとめ

これからの時代、ESGの視点は経営に必須なのではないでしょうか。現在主要企業の取り組みが多く取り上げられていますが、少しづつ中小企業にまで社会潮流は影響しています。中小企業が取り組みやすい基準や取り組み方について示しているエコアクション21についてはこちらで紹介しています。興味のある方はぜひご覧になってください。では、ESG経営を理解したあとは、自社のESGの現状を整理して、今後取り組むべき課題を抽出し、改善計画を立てることからはじめましょう。

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