脱炭素

SBT (Science Based Targets) とは?企業の参加メリットデメリットを徹底解説!

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SBT(Science Based Targets)は地球の気温を下げるために各企業が設定する温室効果ガスの削減目標の事で、2015年のパリ協定で定められた世界の平均気温を産業革命後の気温上昇を二度未満にする世界目標(一般的に二度目標と呼ばれる)に整合した企業版二度目標となっています。

SBT(Science Based Targets) とは?簡単に解説!

1990年代頃から自社の環境対策を声高に宣伝する企業が現れました。彼らは植林をしたり、ソーラーパネルを設置するなど、イメージアップ戦略として環境対策が進められた節があります。しかし実際にはあまり効果が無かったり、どの程度環境に良い影響を与えているか計算されていない場合が多く存在していました。

それに対してSBTは「温暖化ガスの削減目標」のことです。単なる植林に留まらず、企業活動としての生産や運搬、使用といった各段階におけるCO2排出量を計算し、削減目標を掲げなければなりません。

2015年COP21第21回気候変動枠組条約締約国会議では各国の環境大臣が参加し、京都議定書に代わる新たな環境対策の枠組みとしてパリ協定が締結されました。このパリ協定では産業革命以降の気温上昇を2度未満に抑えることが目標として掲げられています。SBTはパリ協定の前から存在した概念ですが、現在ではパリ協定で設定された2度未満という目標に貢献する事が企業のSBTに求められています。

企業の参加メリット・デメリットは?

2020年7月現在でSBTを表明している企業は世界中で929社、日本国内では100社に到達しました。日本ではアスクルや三菱地所といった主に主要企業が参加しています。そんなSBTのメリット、デメリットを見ていきましょう。

メリット

企業にとってのメリットは何よりイメージアップに繋がることです。現在はSBTを知っている人はあまり少ないかもしれませんが、今後SBTの先手を打った企業として評価される可能性は大いにあります。その他のメリットとしては、将来的に低コスト化に繋がるメリットがあります。現在は化石燃料由来の電力が低価格で購入できますが、SBTの実現のために今の段階から省エネ化を進めれば、将来的に脱炭素化の一環で電力が高コスト化した際に、ダメージを受けなくて済むようになるでしょう。

デメリット

デメリットはコスト面での負担が大きいという点にあります。製造業の場合、省エネ化の実現のためには古い製造機械に変わる新しい機会を導入しなければならず、コストが高くなってしまいます。また原料の調達先として従来のルートから環境に良いルート切り替えるだけでもコストが高くつくかもしれません。金銭面で余裕のある企業しか参加できないため、やはり現状は大手企業を中心にSBTへの参加が進んでいます。

参加企業例を紹介!

キリンホールディングス

キリンホールディングス2030年までに排出する温室効果ガスを30%削減させることSBTの目標として設定しています。運搬過程では、トラックによる運送から鉄道輸送へシフトを進め、販売過程では電力消費量の少ない自動販売機の導入を進めています。

ソニー株式会社

ソニー株式会社では部品のサプライヤーに対して生産工程における環境負荷の低い部品の生産を依頼し、具体的な削減目標を共に策定しています。電力源をクリーンなものとするため、本社の電力を水力発電に依存させ、工場の屋上には太陽光パネルの設置を進めています。

このように具体的な例を見ていくことでSBTとは何か、イメージが湧くと思います。

まとめ

以上のようにSBTは単なる環境対策ではなく、環境対策に対する具体的な数値目標のことです。SBTの設定を表明している企業でなくても最近ではCO2○○%削減など、具体的に数値を明記する企業も増え、SBTの概念は今後より普及していくと考えられます。

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